プロフィール
圧倒的な車種ラインアップを誇るトヨタ。おそらく日本国内外を問わず、販売モデルの最も多い自動車メーカーだろう。業界世界トップの名に相応しく、常にファンを楽しませてくれているわけだが、新型車が日本で発表されたのは今からおよそ6ヶ月前のこと。『RAV4』とレクサス『RX』(『ハリアー』)の中間モデルとしても位置づけられる、高級ミディアムSUV『ヴァンガード』がそれである。
主要諸元
3.5リッターV6エンジン、280ps
駆動方式 4WD
全長 4m57
車重 2085kg
シーケンシャルトランスミッション
エクステリア
スポーティかつラグジュアリーなオールトレインタイプの車として開発された。そこで頭をよぎるのはレクサス『RX』だが、2つのともすれば相反する性質を融合させることに成功したレクサスとは対照的に、『ヴァンガード』を前にした僕らは一同首をひねってしまった。残念だったのは、満場一致で評価の高かったフロントとは対照的に、温度差のあるリアデザイン。
スリムなヘッドランプを引き立てるかのような、フェンダーから大型バンパーにかけてのデザインは効果的だし、エンジンフード上の盛り上がった2本のラインは、フロントガラスまで優雅な線を描いている。かたやサイドからリアはというと、『RAV4』に中途半端に手を加えたような仕上がりで、全体としてアンバランスな車になってしまっている。
インテリア
一言で表現するならば、簡潔かつさりげなくあること。トヨタのインテリアといえばもう少し高い質感を期待していただけに、少し古臭い印象の否めないインパネなど、ほかのモデルとは一味違う趣きが意外だった。とはいえ、トヨタならではと納得させるだけの快適さは健在で、走行路面の状況に関わらず常に快適なドライブを楽しませてくれる。
走行性能
見た目だけでは疑心暗鬼だった、「アクティブ&ラグジュアリー」という『ヴァンガード』のコンセプトだが、そんな思いもハンドルを握った瞬間に払拭されてしまった。レクサス『RX』に搭載されている3.5リッターV6エンジンに、5 Super ECTシーケンシャルトランスミッションが組み合わされ、実に気持ちのよい加速レスポンスを返してくれる。追い越し時の加速も実にスムーズで、しかも非常に扱い易い。
新設計のサスペンションを採用し、常に安定した走行性能を発揮してくれる。とはいえ、やはりSUVだけにアクセルをぐんぐん踏み込んでスピード感を満喫するような操作には向いていない。「S-VSC+アクティブトルクコントロール4WD協調制御」を標準装備、道路条件に関わらず快適なドライブを楽しむことができる。
市街地での性能は申し分ないことは分かった。ではオフロードではどうか? これが山道であろうが、雪道であろうが、あくまでも安定した走行性能を発揮してくれたのだ。4WDロックモードを搭載し、道路条件にあったタイヤさえ履かせていればどんな道でも余裕で制覇してくれそうだ。事実、東京近郊の山中で実施した試乗テストにおいても、ノーマル・タイヤにも関わらず、雪の山道をぬかるみにも雪にもタイヤを取られることもなくに予定コースを快適に走行完了。砂利の多い海岸でもまた然りであった。
ダカールラリー参戦、とまではいかないかもしれないけれども、日常シーンにおいては十二分に信頼できる性能を持っていることは確かだ。
Conclusion:
結論
せっかく優れたフロントデザインを持ちながら片手落ちなサイドからリア。快適なものの、今ひとつ説得力に欠けるインテリア。ライバルモデルも多いだけに、多くのファンを虜にするには少々役不足かもしれない。しかしながら、トヨタの誇る高い運動性能、走行性能および安全性能のどれもを持ち合わせていることは確実で、ミディアムSUVというトヨタの新しい挑戦でもある。すでに発売されている日本国内のほか、今後北米市場においても発売が予定されている。さて、各地域のユーザーの反応やいかに。
Posted on 19/03/08 By G-A.G